僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

身を委ねた軽蔑

……。

結局、前回最初の記事を書いてから、

実に2ヶ月もの間が空いてしまった。

こんな事だから、こんな人生から抜け出せないのだろう。

痛烈に実感した。

まだまだアフィリエイトの審査に掛けるには記事が足りないので、

気を取り直してとにかく記事を書き連ねていこうと思う。

前回は僕の暮らしぶりや今置かれている現状などについて

漠然と書き記したが、

今回は主収入を得ているアルバイト先での様子について語ろう。

おはようございます、とオフィス内の全員に声を掛けて入室する。

誰からも返事はない。僕へと視線を向ける者も居ない。

毎朝の事ながら気が滅入る。絶対に聞こえている筈なのに。

心の中で小さく嘆息した。

タイムカードを押し、自席に着きパソコンの電源を入れる。

僕のパソコンだけは他の職員らが使用している物より

世代が古いため、起動に時間が掛かる。

また挙動も著しく遅く、入っているソフトも古い為、

業務上不便を強いられる事も多い。

これは上長からの嫌がらせの一環だった。

アルバイトで、大したスキルもなく、

潤滑なコミュニケーションを取る事も下手な僕は、

嫌がらせやいじめの格好の標的となっている。

挨拶も返さなかった社員のうちの一人が僕の席に近寄ってきて、言い放った。

「駒君、ちょっと来るの遅いんじゃない」

そんな筈はない。始業までまだ20分もある。

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「ただでさえパソコン遅いんだから、

 その分駒君が先回りしてちゃっちゃとやってくれないと。

 パソコンが古くて動作重いからって

 チンタラやられたら困っちゃうよ。

 そういうのなんていうか知ってる? 給料泥棒って言うんだよ。

 泥棒って漢字でなんて書くか解る?」

「解りません。泥棒なんてしたことがないので」

僕は憮然として答えた。

「まあ高卒じゃ知らなくても不思議じゃないよ。

 駒君って馬鹿で無知で話してるだけで時間喰うんだから、

 その分早く来いって言ってるんだよ。この給料泥棒が」

そう吐き捨てて、その社員は自席へと戻っていった。

他人をいびってる暇があるならその分仕事しろよ。

自分こそ給料泥棒だろうが。

ひとまず気を取り直そう。職務に取り掛かろう。

そう意を決した。

自席の引き出しを開けてペンを探すが、

いつも使っているペンだけが見当たらない。

ボールペンとシャーペンが一本に内蔵されていて、

頭の部分には棒状の消しゴムも内蔵されており、

便利で使い易い。

僕が使用しているペンの中でも最も高価でお気に入りのものだ。長年愛用している。

それなのに、どこを探しても見つからない。

この職場において、偶然他人の文具を使ってしまうという事は

よくあることだ。

だが、手の届き易い所に置いてある、

他のどうでもいい安くてちゃちなボールペンやマーカー、

サインペンなどには一切触れられた形跡がない。

間違いなく、誰かが何らかの意図でやったに違いない。

泥棒はお前らの方じゃねえか。

僕は周りの目も憚らず大きく嘆息した。

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僕の嘆息を察してか、隣席の社員が声を掛けてきた。

「どうかした? 何か困った事あった?

 読めない漢字でもあった?」

言葉では気遣うような口振りだが、

声色は完全にふざけたような、嘲笑が含まれたものだった。

こいつは絶対に何かを知っている。

そう思わせるには十分過ぎるほどに。

「……ペンが無くなったんです。いつも使っていたものです。

 他のペンより高価なもので、便利だったので、

 愛用していました」

「また、そんなの。どうでもよくない?

 高いって言ったって、どうせ500円ぐらいでしょ」

そいつは嘲笑しながら言う。

そんな事言うなら、お前が弁償してくれよ。

「確かにそれぐらいの金額でしたけど、

 ぼくの時給から換算したら、30分働いた金額ですよ。

 それにずっと――」

「そっか、時給千円だったっけ、そりゃあ高いなあ、ああ高い高い」

そいつは軽く鼻で笑うと、また自分のパソコンに向き直った。

僕が使用しているものとは比べ物にならないほど、

はるかにハイスペックで新しいパソコンに。

僕との会話なんて何事もなかったかのような横顔で、

黙々と作業を再開している。

こいつは本当に、僕を軽蔑し嘲笑する為だけに

態々作業の手を止めたのだと思うと、

得体の知れない感覚が僕の腹の底から込み上げて来た。

1本500円のペン。30分500円という自分の労働価値。

500円で得られるもの。500円で失うもの。

僕は今、500円で人間としての尊厳を30分間分失った。

でも、それを受け留めて、それを飲み込んで、

ありのままの現実として身を委ねなければならない。

それが生きること。今僕に出来ることの総て。

僕は日々こうして、軽蔑に身を委ねて生きている。

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