僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

乾いた横顔を酒は潤さない

金が無い。

だが、呑まずには居られなかった。

金曜の夜、バイトが終わってから

勤務先から数駅の街に位置するゲイバーで

散々呑んできた。

上長から勤務時間を減らすと言い渡され、

本来であればより出費を切り詰めなければ

ならない状況に陥ったのだったが、

僕はやけくそとばかりに、久々に呑みに出た。

久しく呑みに出ていなかった理由はただ一つ。

金が無かったから。

だが、精神的に限界を迎えつつあった。

憂さを晴らしたい。何もかも忘れてしまいたい。

その一心で久しぶりにゲイバーへ出たのだった。

無人機のキャッシングで数万の金を借りてから。

その店はショット専門の店だ。

根っからのビール党の僕は

一人黙々とビールを呷る。

ここは比較的客の年齢層が高く、

僕でさえ一番若い部類に入る店だった。

また、スーツを着ていないのは僕一人で、

他の人々は皆スーツに身を包み、

どこからともなく

品の良さと気高さを醸し出していた。

それも、装いだけでなく、身の振る舞いや

雰囲気からにじみ出ているものだ。

僕は多少の惨めさを覚えつつあった。

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もう何杯飲んだのか記憶が曖昧だ。

それなのに、喉の渇きは一向に潤う気配がない。

だからこうして幾度もグラスを飲み干すのだ。

自分が案内された席はカウンターの端だった。

唯一の隣席の人は、ずっと向こう側を向いて

話し続けている。

僕の事など一目もしない。

カウンターの中の店子さんは僕とは反対側の席の

客らと話すのに夢中で、僕には挨拶すらしない。

誰かと話がしたかった。どんな話だっていいから。

誰か、同じセクシュアリティの人と言葉を交わしたい。

だからこうして店に来たというのに。

まだ季節は夏と呼べる気温だが、

僕の心には一足先に冷たい冬が訪れていた。

一体何杯飲んだだろう。

僕は空になったグラスを眺め続けていた。

何分経ったろうか。何十分経ったろうか。

僕は席を立った。

おぼつかない足取りでなんとか

自宅の最寄り駅まで辿り着き、

駅前のスーパーで500mlビール缶6本入りのパックを

買って家へ帰った。

扉を開け、紐も解かずにぼろいNIKEAIR FORCE1を

脱ぎ捨てて部屋へ上がる。

電気も付けずに布団の上でビール缶を開けて

一気に一缶飲み干した。

流石にこれだけ飲んできた上で

更に500mlのビールを飲み干すのには時間が掛かった。

胃が苦しい。でも、服のせいかもしれない。

服を全部脱ぎ捨て、楽な寝間着に着替えた。

二本目のプルタブを開けた。

三本目。

四本目。

覚えているのはそこまでだ。

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気が付くと翌日土曜の朝11時頃だった。

強烈な吐き気に襲われて目覚めたのだ。

慌ててトイレへ駆け込み便座を上げて

思い切り吐いた。何度も何度も吐いた。

鼻の方に吐瀉物が行ってしまい

むせて更に強く吐いた。

吐いても吐いてもまだ胃が痙攣している。

胃が吐く事を強く要求してくる。

白湯を水で適当に温くし飲み干して胃に収め、

それをすぐさままた便器に吐く。

これを数回繰り返しているうちに

大分落ち着いてきて、

吐き気が収まる頃には疲労からか

布団で眠りに落ちていた。

ふと目覚めた頃には間もなく

日付が変わろうとしている時刻だった。

枕元に残っていた、昨夜開けた4本目のビール缶の

僅かな残りを飲み干した。

ああ、このまま死んでしまいたい。

もう何もしたくない。

誰にも会いたくない。どこにも行きたくない。

消えてなくなりたい。

最悪な連休の始まりだった。

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