僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

空虚の生涯

今日は休みだったので、

心療内科へ行って来た。

(ネット乞食始めました)

結局予約を入れずに行ったので、飛び込み扱いだ。

飛び込みでの診察は予約と違い、

無理矢理空いている枠にねじ込んで診察して貰う形になるので

予約での診察より待ち時間が圧倒的に長くなる。

その上今日は混んでいたので、かなり待たされた。

iphoneを弄るのにも飽き、

待合室にある本棚の本を物色する。

どれもこれもメンタルヘルスに関する本と

病気についての本ばかりだ。

正直、自分も病気ではあるが、

だからといって病気の本を読み込むと、

それはそれで気が滅入ってしまう。

だから病気に纏わる本は苦手だった。

出来れば漫画が読みたい。それも気楽なやつ。

クレヨンしんちゃんとか、動物のお医者さんとかが良かった。

何も考えずにさらっと読めるから。

そう思いつつ探すと、

心療内科に置かれる本としては定番であろう

『ツレがウツに~~』の漫画があった。

著者の方には申し訳ないが、

もうこの触れ込みだけで嫌気が差す。

一度も読んだ事がないので内容は良く知らない。

おそらく夫がウツになった為に

その妻である主人公の女性が奮闘する訳なのだろうが、

もうその時点で拒否反応が出てしまう。

理由は簡単だ。

ウツになった夫には、自身を支えてくれた妻が居る。

自分は病気をずっと患っているが、支えてくれる人は誰も居ない。

この大差に耐えられない。

自らが如何に孤独で絶望の淵に立たされているかを

突きつけられるのだ。

僕は生まれてから死ぬまでずっと孤独で、

ひと時もその孤独から逃れられる事なく

孤独のどん底でいつか死んでいく。

これが僕の確定された生涯だ。

ウツになった夫とは微塵も共通事項を見出せない。

そんな理由で『ツレが~~』には手すら伸ばさなかった。

結局『お薬大辞典』とかいうのを手に取り

数ページめくっては元に戻し、本は何も取らず席へと戻った。

辺りを見渡してみる。

今日は本当に混んでいる。

それとも、いつもは予約して来ているから

気にならなかったのだろうか。

いつもの倍以上、人が居るように思えた。

失礼にならない程度に人間観察をする事にした。

まずは右隣。スーツ姿の30代ぐらいの男性だ。

ノートPCを操作しながら順番を待っている。

心底大変だなと思う。

生真面目に働きつめる余り、

結果として心に皺寄せが来たのだろう。

左隣は女の子。10代だろう。

今日は比較的気温が高く暑い日だったが、

分厚い長袖のパーカーを羽織っている。

パーカーの袖口は長く、彼女の手の甲を覆い尽くす程の長さだ。

恐らくリストカッターだろうと何となく感じた。

斜め向かいの男性。髪は伸び放題のぼさぼさ頭で、

分厚い眼鏡をかけ、かなり太っており

判別に迷ったが、きっと同世代だと思う。

俯いて携帯ゲーム機に熱中している。

正面に座っているのは40代後半ぐらいの女性だった。

僕の母よりは若いだろうが、かなり近い世代だろう。

左手薬指にはくすみ切った結婚指輪。

服の色も薄暗い色合いで、

丸で彼女の胸中を表しているかのように思えた。

今日観察してきた中で最も薄幸そうな人だった。

そして誰よりも姿勢正しくきちんとした格好で

順番を待っている。

だが、その表情、その瞳、その佇まい、総てに

憂いが漂っていた。それも、誰よりも一番。

ふいに彼女が僕の視線に気付いたようで、

あやうく目が合いそうになって視線をそらした。

僕は他の人からどう見られているだろう。

長らく考えた事がなかった。

他人にとっての自分。

誰も自分を受け入れてくれない。

誰も自分を必要としてくれない。

そんな理由もあって今まで考えるのを避けていた。

正解の出ない堂々巡りを始めかけたその時、

ようやく僕の名前が呼ばれた。

『いかがですか、調子は』

『先生。バイトの勤務時間を減らされたんです。

 生活が苦しいんです。心も苦しいんです。

 毎日毎日辛い夢も見るし、この間は――』

『それじゃあちょっとお薬を変えてみましょう』

『それに、幻聴が――』

『それじゃあお薬戻しておきましょうね。

 あと追加で別の種類のお薬も増やします。

 とりあえず最大分の1ヶ月分出しておくので、

 また一ヶ月後にいらしてください』

『先生、皆が僕の事を――』

『それじゃあまた来月』

結局待った時間の長さにも関わらず、

診察はものの3分ほどで終わってしまった。

こんなに待たされて、こんなに短時間で

診察を終わらせられてしまうのか。

ディズニーランドだって、これだけの時間待てば

せめて10分程度のアトラクションを

楽しめるだろうに。

まあディズニーランドと病院を比較しても仕方ない。

目的も場所も違う訳なのだから。

それにしても、いつもながら、本当に流れ作業だ。

皆、世間の荒波に揉まれ、流れ、擦り切れて心を病み、

病院でまた流される。

人生は流れ流されての繰り返しだ。

僕が流れつく先はどこだろう。

この先の人生。

とりあえずは、病院の会計口に流され付いたのだった。

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