僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

重ねた唇の感触を僕は 追記

要望をいくつか頂いたので、

先週土曜日の追記を書くことにした。

それなので、この記事は今日の出来事ではなく、

土曜の夜の出来事である。

エレベーターの中で、

店のある階に到達するまで

ひたすら階層表示の画面だけを見つめていた。

結局再び亘の懇願に負け、

二軒目にも付き合う事になった。

先刻から僕は亘の顔を見ていない。

また亘も僕を見なかった。

本当は帰っても良かったのだ。

僕が家に帰ったところで、

亘は『F』にでも行けば

飲み相手なんていくらでも居るだろう。

だが、しかし。

店に着いた。

座敷になっている作りの店で、

入り口で靴を脱いでロッカーへしまった。

個室の席へ案内された。

とりあえずビールと適当なつまみを注文すると、

重苦しい沈黙が二人の間に訪れた。

ビールとつまみが運ばれて来た。

一応軽く乾杯して、ビールに口を付けると、

亘は重い口を開いた。

「気を取り直してさ、

今夜はここで景気良く飲み明かそう」

僕は返事の代わりに、思い切り

ジョッキのビールを飲んだ。

酒を飲み進めるにつれ、

再び心地の良い酔いがまわり

先程までの重苦しい空気は

どこかへ消えてしまった。

僕は訳も分からずとにかくヘラヘラ笑っていたし、

亘もずっとくだらない冗談や

おかしな話ばかりを繰り返していた。

「ねっ、駒ちゃん、席つめて」

亘はふざけて僕の隣に座ってきた。

亘は僕の肩にもたれかかりながら、

くだらない話の続きをした。

幾度もベタベタと僕の体を

ふざけながら触ってきた。

しかし、亘は敢えてなのか、

先程のエレベーターホールでの件には

何一つ触れなかったし、

僕も敢えて何も言わなかった。

ただ一つ、気になる事を

冗談混じりながら繰り返し言っていた。

『駒ちゃん、俺、寂しいんだよね。

いつも独りだもん。孤独だよ』と。

亘が孤独な訳があるのだろうか。

僕は冗談と考え、まともに相手をしなかった。

私生活においては常に人の輪の中心に居ながら、

また仕事上では自身を慕う部下を従えている

亘の、一体どこが孤独だというのか、

僕には理解出来なかった。

亘が孤独なのであれば、

僕なんてどうなってしまうのだろうかと

さえ思った。

そうしている内に夜が更けていった。

酒を飲み交わした、という以外に、何事もなく。

早朝の寒い新宿を歩き、24時間営業のマックへ行き

少しだけ二人で始発まで時間を潰してから帰った。

マックでの出来事は正直よく覚えていない。

酩酊状態にあったからだ。

亘も恐らくそうだったろうと思う。

エレベーターホールでの出来事も、

覚えていなければ良かったのにと、

帰って寝て酔いが醒めてから

つくづく感じた。

心惹かれる思いはある。

それでも僕はまだ、亘とは良き友達で居たい。

にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログ 同性愛・ゲイ(ノンアダルト)へ このエントリーをはてなブックマークに追加