僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

偶然か作為か 前編

今日は平日休みの日だった。

整骨院に行く為に

シフトを変えてもらったのだ。

しかし、今週は祝日があったため

院長先生の休みがずれ、

今日が休みだという。

これでは意味がない。仕方が無いのだが。

整骨院に行けないからと言って

家で陰鬱としていても、

体にも心にも良くないと思い、

久々に、葛西臨海公園にある水族館に

行く事にした。

ちょっと遅めの朝食を摂ってから、

マイボトルに熱いコーヒーを淹れて

リュックにしまい、昼前に家を出た。

久々の快晴だ。

ここ連日続いてた冷たい雨が嘘みたいだ。

暖かい陽射しを浴び、雨と寒気に縮こまって固まった全身が

ほぐされるような思いだった。

今日出かけて正解だった。

こんな日に家に篭っていたら勿体無い。

天気につられて久し振りに明るい気分になっていた。

電車の窓から見える海原が太陽の光を反射して

眩しい。

京葉線葛西臨海公園で下車し、

最高に気持ちの良い陽気の葛西臨海公園内を歩いて

水族館を目指す。

入場ゲートで年間パスポートを提示して入場する。

噴水が日光を映してきらきら光っているのを横目に見ながら、

エントランスホールからエレベーターを下って

館内へ入った。

順路に沿って歩きながら、何も考えずに水槽を眺めていく。

色んな魚がいた。

中には目を惹かれる程美しい魚もいたが、

どれも名前は覚えていない。

僕は水族館という空間が好きなだけで、

魚そのものには全くと言って良いぐらい興味がなかった。

薄暗い館内で、ライトアップされた水槽の中を

ぐるぐる泳ぐ魚をぼんやり眺めるのが好きなのだ。

順路通りに進むと、ペンギンが見られる屋外の場所に出るのだが、

そこは見ずに通過し、館内にある水槽の展示を見に行った。

こちらの水槽は先程の場所とは違い、

外の光が入ってきて、水族館らしい雰囲気は薄かったが

面白い展示が多い。

上から水槽を覗き込めるようになっている所もある。

ざっと一周し、再び最初の方に見た

一番大きい水槽の前に戻ってきた。

ここで泳いでいる魚の名前は流石に覚えている。

一番の名物であるマグロが泳いでいる水槽だ。

しばらく無心で巨大な水槽の中を泳ぐ魚達に見とれた。

時折横切るマグロを見て、

市場に卸したらいくらぐらいになるのだろう等と

馬鹿げた事を考えた。

一通り見て回ったので、先程スルーしたペンギンも

見ておこうと思い立ち、再び順路を巡って

ペンギンのいる水槽がある屋外の場所へと出た。

ペンギンはイラスト等では可愛く描かれる事が多いから

人気はあるようだが、

実際のペンギンは正直そんなにかわいくない。

そして何よりペンギンの居る水槽は臭かった。

ペンギン特有の臭いなのだろうか。

腐った魚の様な臭いが漂っていた。

そして糞がそこかしこに目立ち

ますますかわいげを削いでいた。

それでも人気はあるようで、それなりに見物している人は多かった。

ペンギンを見られる水槽は地上と地下の二階構造になっており、

地上では陸でのペンギンの様子が、

地下では水中でのペンギンの様子が

観察出来るようになっている。

陸上でのペンギンにどうしても好印象を抱けなかった僕は、

水中でなら面白く観察出来るかも知れないと

地下へと下りてみた。

ペンギンがあまり泳いでいなかったせいか、

地下は閑散としており、

地下には僕とあと何人かしか居なかった。

しかし、その数少ない何人かの中に、

見覚えのある姿をすぐに見出した。

背が高く、肩幅が広く、がっしりとした体の巨漢。

鋭い目つきで尚且ついかつく一見強面だが、

本当はどこまでも心優しい。

そう。

「――院長先生!」

「……駒、くん」

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