僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

人と繋がるということ

水曜日の20時過ぎ。

夕食を終えて洗い物をしていると、

電話が掛かってきた。

急いで手に付いた泡を洗い流してタオルで拭い、

iPhoneを手にした。

電話は院長先生――嵩兄ちゃんからだった。

「はい、もしもし」

「駒! こんばんは。

 今いい?」

「うん。大丈夫だよ」

僕と嵩兄ちゃんは、整骨院以外では

完全に以前のような口調で話すようになっていた。

だからお互いに敬語を使わないし、

僕は院長先生ではなく嵩兄ちゃんと呼び、

また嵩兄ちゃんは僕を駒と呼び捨てで呼ぶ。

それに気軽に連絡をして来てくれるようになった。

整骨院の外では、昔と同じに戻ったのだ。

最近では唯一の嬉しい出来事だった。

「嵩兄ちゃん、今日はお休み?」

「そうだよ。

 ……でも、ぶっちゃけやる事ねえんだよな。

 部屋片付けして、掃除してた」

「年末になって、お仕事が立て込む前に

 大掃除?」

「ん、まあ、そんなとこだな」

少しの間沈黙が流れた。

お互い、まだ完璧に昔に戻れた訳ではない。

流れた時間で出来た溝が埋まるまでには

もう暫く時間が掛かるだろう。

でも、焦る必要なんて無い。

すぐ元通りになれるだろうと

僕は信じていた。

「あのさ、来週の水曜だけど――

 お前、暇?」

「こないだ行った時も話したけど、

 結局平日水曜休みに戻っちゃったから

 水曜日は終日暇してるよ」

「じゃあ、俺んち遊びに来いよ。

 俺も暇してるから」

「えっ、いいの?」

「勿論。きたねえけどな」

「掃除したばっかりなのに?」

「まあ、男の一人暮らしなんて皆そんなもんだろ。

 どうする?」

「嵩兄ちゃんち、行きたい。行ってみたいな」

「おう、おいで。菓子買っとくから」

こうして僕は来週の水曜日、

嵩兄ちゃんの家へ行く事になった。

楽しみが出来た。

嵩兄ちゃんが昔のように誘ってくれて

とても嬉しかった。

来週が待ち遠しくてならない。

本当の本当に嬉しかった。

これは、ここ数週間で文章力が急激に落ちてしまった僕が

言葉で表現できる精一杯の喜びだ。

嵩兄ちゃんが居てくれる。

僕は独りじゃなかった。

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