僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

疼く甘え

木曜日の夜、バイト帰りの電車に揺られていると

LINEでメッセージが送られてきた。

送り主は、亘。

久々の連絡に思えた。

『駒ちゃん!

 元気?』

『正直言うとあんまり元気じゃないです』

『どうした? また風邪?』

『まあ、大した話じゃ無いですよ』

実は亘には自分の病の話をしていなかった。

亘は僕が心療内科に通っていて、

幻聴に悩んでいると知ったらどう思うだろうか。

過去に心療内科への通院と幻聴を打ち明けたら

相手から軽蔑された事があって以来、

僕はゲイの人には自分の病を隠している。

『ふーん、心配だけどなあ』

『で、急にどうなさったんですか?』

『明日、ランチしようって誘おうと思って。

 勿論駒ちゃんの会社に話通して、

 業務って事にしてもらうつもりだよん。

 途中で抜けてもらって、ゆっくりランチして

 戻ってもらうつもり』

『はあ、いいですけど。亘さんが大丈夫なら』

『最近会えてなかったもんね。楽しみ。

 何か食べたい物とかある?』

『お任せします』

『わかった。選んでおくね』

『でも、なるべく安いところにしてくださいね』

『出た! 駒ちゃんの気にしい』

『気にしいって何ですか』

『気遣いし過ぎって事。

 いい加減、甘え方覚えなよ。

 駒ちゃんの不器用なとこ、

 俺はすっげーかわいいと思ってるけど、

 世渡り下手過ぎんのは、そろそろ直さないと』

『甘えるのも世渡りなんですか?』

『そうだよ! それも結構大事なスキルよ。

 生きるのがラクになるよ』

驚いた。

他人に甘える事も、生きていく上では

重要な能力だと言うのか。

『相手は選ばないといけないけど、

 甘えられる相手には甘えられるだけ甘えておきな。

 それにね、いつか自分も誰かから甘えられる日が来るから。

 そういう時に甘え方知らないと、上手く甘やかせない。

 それから、人を甘えさせられない人って

 誰も近寄らなくなるよ。

 だから、ね』

『なんか、驚きました。勉強になります』

『俺だって駒ちゃんに甘ったれてるんだよ。

 知らなかった?

 だから、駒ちゃんも俺にべったり甘ったれていいの。

 こういうのはお互い様だからね』

先日、亘に無理矢理キスされ、強引に引き留められたのを

思い出した。

あれが亘の考える甘えという物なのだろうか。

『それじゃあ、お言葉に甘えて』

『そうこなくっちゃ』

僕は亘に甘え切っているつもりでいた。

それでもまだ甘え足りていないと亘は言う。

明日会った時に、もっと頻繁に連絡をくれとでも

甘えて言ってみようか。

ふいに、胸の奥がじわりと疼く様な感じを覚えた。

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