僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

生まれて来ない方が良かったなんて言って 前編

これは去年の大晦日から今年の元旦にかけての話だ。

本当に今更ながら、ようやく書きあがった。

最近書く『ネタ』も切れてきたし、

このタイミングで掲載する事にした。

長い話になってしまったので、

分割して投稿する。

大晦日の夕方。

駅のホームで嵩兄ちゃんと待ち合わせて、

実家へ帰省すべく電車へ乗り込んだ。

帰省と言っても、僕達の実家は関東圏内にあるので

そう大したものではない。

新幹線に乗る訳でもなく、待ち合わせた最寄の駅から

数回乗り換えて、2時間程度の道程だ。

嵩兄ちゃんも僕も、荷物は少ない。

僕は一日分の着替えとiphoneの充電器ぐらいしか持ってきていない。

暗くなっていく車窓の外を眺めると、

普段より神妙になった自分の顔が反射して映っていた。

僕の雰囲気を察してか、嵩兄ちゃんが笑いながら

肩を組んできた。

「久し振りで緊張すんのも解るけどよ、

 大丈夫だって。連絡もしてあるんだろ」

「――してないんだよね」

嵩兄ちゃんからは、帰省する旨を

事前に両親に伝えておけと言われていた。

だが気後れから連絡一つしていなかった。

「マジかよ。そりゃあちょっと驚かれるかも知れねえな。

 でもまあ、大丈夫だって」

「そうかなあ」

「ああ、大丈夫、大丈夫」

嵩兄ちゃんは僕の頭をぽんぽんと撫ぜた。

電車を乗り継いで地元の最寄駅へ向かう。

電車が進むにつれ、見覚えのある懐かしい景色が

窓の外に広がっていった。

実家の最寄り駅に着いた。

辛うじて自動ではあるが、寂れた改札を抜けて

実家へと歩みを進める。

何度この道を通った事だろう。

懐かしくも切ない、何とも形容しがたい複雑な気持ちに

僕は駆られていた。

でも、どうしようもない。

この感覚は予想していた。

だから帰省していなかったのだ。

この感覚に捕らわれると、辛いから。

実家へと向かう道程が、

優しい思い出も悲しい出来事も、

大切な記憶も思い出したくも無い過去をも

一緒くたに脳裏に蘇らせ、僕を苦しめる。

とうとう実家に辿り着いた。

窓には明かりが灯っている。

母と継父が間違いなく家に居る事を示していた。

嵩兄ちゃんが僕の背を軽く押した。

「ほら、行ってこい。

 絶対大丈夫だから。な?」

僕は俯きながらも小さく頷いた。

(続く)

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