僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

大人の男は焦らない その2

浅野さんの家の最寄り駅(駅名だけはイニシャルでも書かないでくれと言われた)の
近くにあるツタヤで、Blu-rayを借りた。
借りたのは2作。
どちらもミュージカル映画だった。
僕はあまり映画に詳しくないので、
とりあえず眠くならない様なやつ、とリクエストだけして、
浅野さんのチョイスに任せた。

 

まずはRENTから見る事にした。
さして期待せずぼんやり眺めていたのだが、
段々と入り込んでしまって、
エンジェルの葬儀で合唱になるシーンでは
涙がとめどなく溢れた。
そんな時、敢えてそっとしておいてくれた浅野さんは
大人だな、と今振り返ってみて思う。
 
RENTを見終えて、少しお茶にする事になった。
浅野さんが紅茶とチョコパイを出してくれた。
 
「いやあ、泣いてたね、駒ちゃん」
 
「自分もあんな風に、色んな人達から
 愛されて死ねたらいいなって思います。
 自分は親から絶縁されてるんで、
 死んだら無縁仏になるんでしょうけど、
 それならせめて、色んな人を愛し、
 また自分も愛されて死にたいです」
 
「――そん時は、俺がちゃんと面倒見てやるよ」
 
絶縁されている所以については一切触れて来なかった所に、
浅野さんの優しさを感じた。
 

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話は変わって、性自認の話題になった。
ようは、僕がいつから男が好きなのかという話だ。
 
「自分はもう小学校高学年ぐらいの頃には、
 自分はゲイだなって気付いてました。
 プールの着替えとかで男子更衣室でドキドキしてましたから」
 
「へえ、そうなんだ」
 
「それにしても……人生って上手く行かない様に出来てますね。
 僕が自分がゲイだって自覚した頃には、
 自分は未来では普通に大学に行ってて、
 ちょっと年上のサラリーマンとかと付き合ってて、
 夜は大人同士らしく夜の首都高でドライブデートとか
 してるんだろうなって思ってました。
 それがこのザマです。
 大学も行かずに高卒でぶらぶらしてて」
 
「まあまあ、そんなネガティブな事言うなって。
 ……今、ドライブデートって言った?」
 
「あ、はい」
 
「それ今聞いといて良かったわー!
 よし、この後はご飯食べて、0時過ぎたら
 ドライブデート連れてったげる。
 これで夢、一個叶うね」
 
浅野さんはポケットを漁り、車の鍵を僕に見せた。
 
「浅野さん、車持ってたんですね」
 
「まあ、移動は電車が殆どだけど、
 たまに運転したくなるんだよね。
 でも一人じゃ虚しくて。
 駒ちゃんみたいなカワイ子ちゃんを助手席に
 乗せられるなんて、俺も夢みたいだよ」
 
柄にもなく、素直に嬉しくなった。
これは僕の長年の夢だったからだ。
 
「なんか、すっごい嬉しいです。
 ありがとうございます」
 
「もうちょっとしたらご飯食べに行こうか。
 近くに美味いイタリアンがあるから、そこでいいかな?」
 
「はい、勿論です」
 

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それからまた少し話をして、良い頃合になったので
ご飯を食べに行く事になった。
 
連れて行かれたのは小さな店だったが、
比較的高級なお店だった。
ピザを本格的な石釜で焼いているのが売りらしい。
ピザが好きな僕にはこれまた嬉しいお店だ。
 
「お酒以外ならなんでも頼んでいいからね」
 
「流石にいくら運転しないからって
 助手席の人が酒気帯びだったら問題ですもんね。
 解ってます。
 僕、ピザが食べたいです」
 
「おうおう、好きなやつを好きなだけ頼んでいいから」
 
僕は前菜にも目をくれず、ピザから
ガンガン注文していった。
 
(続く)

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