僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

愛のかけ違いに縋ってしまうと言うなら

何時もの如く日付がずれてしまったが、これは水曜日の日記だ。
亘が電話で話をしている声で目が覚めた。
 
亘はいつものように、自分の業務に必要だから
僕を預かると言う旨の連絡を僕の会社に入れてくれ、
僕はお給料を頂きつつ有給も消化せずに休む事が出来た。
ありがたい事この上ない話だ。
 
10時頃僕は起き出し、亘と今日はどう過ごすか話した。
手首の傷はまだ少し傷んだ。しかし、病院に行く程ではない。
そう僕は言ったが、亘は中々食い下がらず、苦労した。
結局は亘が折れ、病院へは行かない事になり、
とりあえず外で何か食べてからどこかへ出かけようと言う話になった。
 
しかし、僕の家の近所にまともな店など無く、
徒歩15分程歩いた所にあるガストへと出向いた。
 
適当に注文し、ドリンクバーから飲み物を取って来て料理を待っていると、
急に自分が惨めに思えた。
亘はきっと、休日にガストへなんて来ないだろう。
それに比べ、所詮ガストの僕。
どれだけ亘が僕に好意を抱こうが、仮に僕が亘に釣り合おうと足掻いたとして
結局はこの差を埋められないし、きっとその差がいつかは
関係性の終焉を招くだろうと思って塞ぎ込んだ。
 

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俯いた僕に気が付いた亘が話し掛けてきた。
 
「ん、どうしたの?」
 
「なんでもないです」
 
亘は僕の手を取って言った。
 
「ねえ、駒ちゃん、笑って?」
 
僕は目を伏せた。
 
「それとも、やっぱりまだ痛いのかな」
 
「そういう訳じゃないですけど……」
 
「なんか、悲しそうにしてる。どうして」
 
「――いや、亘さんは普段こんな店来ないんだろうなって思ったら、
 申し訳なくなって」
 
「そんな事ないよ! ガスト好きだよ。チーズインハンバーグとかおいしいじゃん」
 
僕は苦笑した。
そんな僕を見て、亘は呟いた。
 
「……きっと駒ちゃんの心には届かないだろうけど、
 俺は駒ちゃんと一緒なら、
 どんな所だって、どんな店だって大好きだよ。
 この意味、解るかな」
 
亘の目を見た。どこまでも澄んだ、優しい瞳をしている。
僕は自分が恥ずかしい。
その瞳に僕はどう映っているのだろうと考えるだけで、
何故か泣き出したくなる。
こんな恥ずかしい僕に優しくなんてして欲しくなかった。
すぐそこまで涙がこみ上げていた。
 
「そういや、まだこないだ行った水族館の年間パスポート、期限切れてなかったよね?
 せっかく休み取ったんだし、この後行こうよ」
 
亘はそう言って無邪気に笑ってみせた。
 
僕の心は、いつから人を信じたり、慈しみ、そして愛すと言う事を
忘れてしまったのだろう。
この人生で、下らない日常を繰り返して、
僕は何を失くしてしまったのだろう。
 
窓の外に目をやる。薄暗い空から雨が降り出していた。
僕の淀んだ心に呼応するかのように。

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