僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

きっと有限の愛情を

いつか失ってしまうかも知れないと言う恐怖を仕舞い込んで、
僕は亘の愛情を享受する事にした。
きっと、有限の。

僕は未だに心の中で、亘が見せる慈しみを、

どうせ今だけの優しさだろうと踏んでいた。
もっと俗っぽく言うと、亘は
釣った魚には餌をやらないタイプだろうと考えていた。
 
しかし現実はどうやら違うようだ。
ここ連日、就寝中以外は大体1時間に1回のペースでLineが送られてくるし、
職場が近いメリットを活かし、昼食には必ず誘ってくる。
 
いつまで続くか見ものだな等と思っていたが、
今日の昼食時、驚く事を言い出した。
 
「ねえ駒ちゃん、うちで暮らさない?
 うちに住めば家賃も光熱費も回線費も掛からないし、
 食費も俺が持つよ」
 
「えっ……」
 
「何なら携帯代とかも一緒に俺が払っても良いし、
 自分の部屋が欲しければ今の1LDK引き払って2部屋ある物件探すよ」
 
「そんな、囲われるみたいで」
 
「みたい、じゃなくて、囲うつもり
 
「今まで付き合って来た人達皆にそうして来たんですか?」
 
「ううん」
 
「それじゃあ、何故」
 
「駒ちゃんを娶りたい」
 
「娶るって。僕、男ですよ」
 
「あとはやっぱり心配だからって言うのもあるかな。
 ちゃんとメシ食ってんのかなとか、
 また変な事やらかさないかなとか。リスカとか自殺とか」
 
「ああ……」
 
「どうかな?
 嫌?」
 

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「嫌って訳じゃないですけど、
 ちょっと性急過ぎやしませんか」
 
「まあ、確かに焦る事はないけどね。
 駒ちゃんにも考える時間が必要だろうとも思うし」
 
「それに仮にそのお言葉に甘えさせてもらったとして、
 もし亘さんに捨てられたら、
 僕、完全にホームレス一直線ですよ」
 
「捨てないよ! 絶対」
 
「その自信の根拠は」
 
「今住んでる自治体には同性婚を認める制度があるし、
 会社もそういう制度あるし。
 そういうの利用すれば、簡単に捨てたりとか
 別れたりとか出来ないから、安心でしょ」
 
同性婚。まさか自分がこの言葉と向き合う日が来るとは思いもしなかった。
 
正直言って、僕は同性婚に今はまだあまり良いイメージがない。
刹那的な関係を多く持ち、不特定多数を相手に享楽に耽る事が
半ば当たり前のLGBT界隈の人間に、
結婚のような制度が相応しいとは思えないからだ。
もっとLGBT界隈でも堅実な貞操観念や性道徳が強く根付いてから、
そう言った制度が認められるべきだと考えている。
 
「亘さんのお気持ちはとても嬉しいですけど、
 僕はまだ、そこまで考えられません」
 
「そっか……。
 それじゃあさ、週末はうちで過ごすって事だけでも考えてみてくれない?」
 
「まあ、それはいいですけど」
 
「決まり! じゃ、はい、これ」
 
そう言って亘は鍵を渡してきた。
亘のマンションの鍵だった。
 
「金曜の夜から月曜の朝までは、俺と過ごすようにしてくれるかな。
 なるべく一緒に帰れるように努力するけど、
 金曜の夜は基本的に帰りが遅くなる事が多いから、
 先に帰れるように鍵預けとく。失くさないでね。
 月曜の朝、一緒にS×まで出勤しよう。
 着替えとかの荷物も置きっ放しにしていいから」
 
「はあ……解りました」
 
こうして僕と亘は、週末婚のような間柄になった。

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