僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

夕陽の窓辺から

亘の部屋のベランダで、沈み行く太陽を見ていた。
この瞳を焦がしながら消えて行くその姿は
どこまでも切ない。

 

部屋で読書をして過ごしていた亘がベランダへ出て来た。
 
「何やってんの?
 飛び降りようとかしてないよね?」
 
僕は亘に微笑んで否定した。
 
「もう、そういうつもりは無いです」
 
「どうしてそう言えるの?」
 
亘はまだ心配そうにしている。
僕がまた良からぬ事をやらかすのではないかという、
その想いを払拭してあげたいと思った。
 
「もう、悲しませたり、傷付けたりしたくない人が出来たからです」
 
とは言え、自分で言って恥ずかしくなって、
僕は再び西の空へと目を向けた。
しかし、もう夕陽は雲の向こうへと沈んでしまっていた。
 
亘は笑うでもなく、茶化すでもなく、
ごく自然な声色で答えた。
 
「そっか」
 

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「晩御飯、どうしましょうか。
 何か食べたいものありますか。作りますよ」
 
「そうだなあ。
 ずっと作ってもらってばっかりで悪いから、
 今夜は外食にしようか。
 駒ちゃんの食べたいものでいいよ」
 
「それじゃあ、くら寿司がいいです」
 
「……もっといい寿司、食べさせてあげられるよ?」
 
「いいえ、くら寿司がいいんです。
 びっくらポン(http://www.kura-corpo.co.jp/fair/2015bikkurapon.html)がやりたいんで
 
我ながらアホっぽい。
亘は苦笑していた。
 
「びっくらポン当たるまで食う気?」
 
「もちろん。
 あと、鶏天寿司も食べたいです」
 
くら寿司へ向かう前に、軽く1杯ビールを引っかけてから出ようという話になった。
その時、亘がふざけて訊いて来た。
 
「駒ちゃん、もし俺が浮気したらどうする?」
 
「さあ、どうでしょうかね」
 
「泣いちゃう?」
 
「はあ……どうだか」
 
「かわいいなあ、駒ちゃんは」
 
亘は僕の頭をくしゃくしゃに撫でながら言った。
 
「絶対浮気なんかしないから、安心してね」
 
「嘘くさいです」
 
「マジだって! 今まで1度だって浮気した事ないよ、俺」
 
「尚更嘘くさいです」
 
「信じてねえな~。まあ、じきに解るよ」
 
にこにこしている亘を、そうですか、と適当に僕はあしらった。
それでも、心では、こんなくだらない時間が
ずっと続いて行けばいいと願っていた。

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