僕が踏み躙ってきた愛情と日常の総て

ゲイ。アラサー。フリーター。こんな僕の日記です。

幸せの片鱗

僕は意外と待たされるのは苦ではない。
空腹を堪えて待つのは確かに辛いが、
好きな相手の帰りとなれば幾らでも待てる。
 
本気かどうか定かでは無いのだが、
亘は時折専業主夫になるよう、僕に求めてくる時がある。
僕は断っているが、案外性には合っているかもしれない。

 

今夜は豚の角煮と、牛肉とチーズ入りちくわと
ほうれん草の炒め物と、簡単なサラダを拵えた。
亘の部屋に来てから料理が楽しい。
理由は食べてくれる人が居るからというだけではない。
亘が食材費を惜しみなく出してくれる為、
日頃の様に食費を切り詰める必要が無く、
好きな材料を好き放題使えて、好きな料理が作れるからだ。
牛肉なんてとても僕の経済力では気軽に買えない。
 
亘からあと1時間程で帰ると言うLINEが届いた。
それを読んだと同時に、僕は炊飯器のボタンを押した。
ご飯が炊き上がるまで1時間半程掛かるので、
亘が帰宅し、風呂に入って、風呂から上がる頃には、
丁度炊き立てのご飯が出せるようになっている。
風呂にも湯を張らなくてはいけない。
 

f:id:komadiary:20180613073108j:plain

 
それから50分程して亘は帰宅した。
予定より10分程早かったが、
まあ丁度良いタイミングだろう。
風呂にも湯が張れてあるので、
亘に風呂を勧めた。
 
亘はウォークインクローゼットの中でスーツを脱ぎ、
Yシャツと下着だけの姿になって出て来た。
 
風呂に行くものだと思って僕は食事の準備を進めていたが、
亘は風呂へは直行せず、僕の背後に回った。
そして耳元で囁く。
 
「駒ちゃん、ただいま」
 
「はあ、おかえりなさい」
 
「メシと風呂、ありがとうね。
 会いたかったよ」
 
一般的には間抜けに見られるその格好も、
容姿に恵まれ、筋骨隆々の亘ともなると
色香を感じさせるものが確かにあった。
 
「やっぱり、ずっとここに住みなよ。
 駒ちゃんと、こんな風にずっと暮らしたい」
 
亘がそう言って僕を抱き締めた瞬間、
僕は幸せの片鱗を垣間見た。

にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログ 同性愛・ゲイ(ノンアダルト)へ